伊藤 あおい(392位)vs 秋田 史帆(770位)

 この試合のキーワードは、「対極」や「好対照」でしょう。出身地は同じ愛知県ですが、年齢では秋田選手が33歳、伊藤選手は19歳と、14歳の開きがあります。

 何より対照的なのは、そのプレースタイルです。ひとことで言えば、『剛』対『柔』。強打で攻める『剛』の秋田選手に対し、ドロップショットやカウンターを得手とする伊藤選手が『柔』。特に砂入り人工芝のこのサーフェスでは、伊藤選手はスライスを効果的に使い、秋田選手のミスを誘いにくるでしょう。対する秋田選手は、スピンを掛けた深いショットで相手を押し下げ、得意の逆クロスを打ちこみたいところです。

 なお、過去の対戦は今年3月の一度だけで、その時は6-4,6-7,7-6という大接戦の末に伊藤に軍配があがりました。持ち味が対極な両者なだけに、味わい深い駆け引きがコート狭しと繰り広げられるはずです。(写真は伊藤あおい)

小林 ほの香(824位)vs 里 菜央

 里菜央は、国際テニス連盟(ITF)参戦はこれが3大会目の高校3年生。WTAランキングこそまだありませんが、僅か一か月前の全米オープンJr.での、ダブルス準優勝が記憶に新しいところです。欧米のパワーヒッターたちと渡り合った里選手の持ち味は、カウンター。特に、左右に振られた時の展開力には目を見張るものがあります。

 一方の小林選手は、169㎝の長身から打ち下ろすサーブを主軸とするアタッカー。もっとも得意とするのは、回り込んで放つフォアハンドの逆クロスです。小林が強打で押し切るか、あるいはカウンターの名手が切り返すか? 一瞬の読み合いが雌雄を決する、緊張感に満ちた攻防になるでしょう。(写真は里菜央)