加治遥(245位)vs 光崎楓奈(725位)
今大会の第1シードを張るのは、昨年優勝者の加治遥選手。その優勝を皮切りに、今年8月末にUSオープン予選出場、そして先ほどのアジア大会日本代表に初選出され、銅メダルも勝ち取りました。今や日本の5番手に付ける加治選手の急成長は、1年前の浜松から始まったと言っても過言ではありません。
その加治選手の今大会でのプレーを見た時、以前よりネットプレーが増えたと感じました。もともと弱点が少なく安定した選手でしたが、そこに新たな攻撃の手が加わったようです。
対する光崎選手は今年3月から拠点を変え、心機一転、伸びやかなプレーが戻ってきました。加えて光崎選手はフォアの打点が少し後ろで、打つコースが読みにくいフォームでもあります。コートの外から見る以上に、対戦相手にしてみればトリッキーでやりにくい選手。その点を留意し、両選手の読み合いや展開力に注目すると、より面白さが増すのではないでしょうか。
岡村恭香(359位)vs 西郷里奈(384位)
第4シードと第5シードの対戦。両者のランキングも近いことを思えば、普通なら、競った試合が予測されるところです。ただこの二人の顔合わせは、なかなか予想が難しい! 岡村選手の武器はなんといっても、大柄な海外勢相手でも、サーブとフォアで押し切れる攻撃力。
他方で西郷選手の武器は、カウンター。そしていかなる状況でも諦めず、活路を見いだす粘り強さ。芝入り人工芝は、そんな西郷選手の持ち味が発揮されやすいサーフェスでもあります。先の東レパンパシフィックオープンでは、予選を突破し本戦出場。そのような実績も、自信になっているでしょう。
その西郷選手の特技をもってしても、岡村選手の武器が火を噴けば、止めるのは難しいかもしれません。ただ長い試合になれば、大砲が不発に陥る時間帯が必ず訪れるはずです。
実際に二人は昨年2度対戦し、戦績は一勝一敗。西郷選手の勝利は0-6,6-2,6-4で、岡村選手は6-1,6-0。このスコアが何より顕著に示す通り、どのような展開になるかは蓋を開けてみなければわかりません。ただ一つ言えるのは、どんでん返しがありえるカード。最後の瞬間まで、目が離せない一戦です。