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HAMAMATSU WOMEN'S OPEN / COLUMN / 2019 ダブルス決勝|エディス/アルディラ✕本藤/上田

2019 ダブルス決勝|エディス/アルディラ✕本藤/上田

内田 暁|text by Uchida Akatsuki

エディス/アルディラ 6-3, 6-4 本藤/上田

 今大会のダブルスを制したのは、今季からペアを組み、これが6大会目の出場という第1シード。すでにITF(ツアーの下部レベル大会郡)で3つのタイトルを獲得している実力を、浜松でも発揮した。

 ペアを組むのは今季からだが、実は二人は、10年来の親友だという。「ジュニアの頃からお互いを知っている。プレー的にも合っているし、友人なので考えもわかる」というだけあり、コート上でも連携は抜群。今大会でもセットを落とすことなく、決勝まで勝ち上がっていた。
 
 決勝でも、第1セットを奪い、第2セットも5-1と大きくリードした時、試合は決したかに思われた。しかしここから、本藤/上田の日本人ペアが意地を見せる。5-4まで追い上げるが、最後は第1シードが、ダブルスの教本のような盤石のプレーでゴールテープを切った。

 この大会に出場したのは、二人ともに単複あわせて今回が初。浜松オープンでの経験を、「大会の運営が素晴らしい」、「会場からホテルが近いのはありがたいし、インドアのコートがあるのも良い」と振り返る。そして二人が声を揃えたのが、「こんなにたくさんのお客さんが見に来てくれるなんて!」というファンへの感謝への想い。観客が生み出す熱気により、良いパフォーマンスが引き出されたと、両者ともに表情をほころばせた。

「目標は、来年のグランドスラムに出られるくらいランキングを上げること」という二人にとって、この大会の優勝も、世界へ羽ばたく重要な足がかりになる。

著者

内田 暁|text by Uchida Akatsuki
フリーランス|浜松ウイメンズオープンオフィシャルライター| 編集プロダクション勤務を経た後、ロサンゼルスに在住し、テニス、総合格闘技、アメリカンフットボールなど、多ジャンルのスポーツを取材。現在はテニスを中心に、専門誌『スマッシュ』『スポーツナビ』『スポルティーバ』等に寄稿。その他、科学情報の取材・執筆も行う。 近著に、錦織圭の幼少期から2015年全米オープンまでの足跡をつづった 『錦織圭 リターンゲーム:世界に挑む9387日の軌跡』(学研プラス) アスリートのパフォーマンスを神経科学(脳科学)の見地から分析する 『勝てる脳、負ける脳 一流アスリートの脳内で起きていること』(集英社) などがある。

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