•  3時間45分の熱戦を終えクラブハウスに戻ってくると、ボールの詰まった籠を手にし、その足で練習コートへと向かった。 勝利にも気になるところがあったのだろう、「30分」と言っていたサーブ練習は小一時間に及ぶ。 彼女をよく知 …

  •  浜松大会は彼女にとり、長く、ジレンマのトーナメントだったという。 地元の名古屋に近いこともあり、ホーム感を覚える地なのは間違いない。「集客もすごいし、イベントもたくさんある素敵な大会」だとも、常々感じていた。 ただ10 …

  • 「相手の子とは年齢が離れすぎててプレーも見たことないし、ジュニアはオムニコート(砂入り人工芝)に慣れてるだろうけれど、私はオムニ苦手なので」  私もそろそろベテランですから……と笑ってほころばせる童顔は、ベテランという言 …

  •  ポイント間やチェンジオーバー時、重い足を引きずるように、うつむき加減でセットポジションへと向かう。 気合の声をあげ打ち込む相手の強打には、軽くラケットを合わせてカウンターを放ち、ポイントを決めても大きく喜ぶことはない。 …

  • 168㎝の痩躯がコマのように回転すると、放たれたボールは弧を描き、時にベースライン深く、時にサイドラインを鋭角にとらえた。決して、力まかせに打つのではない。緩い打球や浅いボールも織り交ぜながら、ミスも誘いつつ巧みに攻める …